赤茶色の地層を調べる ~横浜と火山〜

 赤茶色の地層は明らかに下の地層(上総層群やその上の砂の層)と違うものです。火山灰の地層です。
 一本白い帯が入っているのはおそらく箱根山の大噴火による軽石層でしょう。

 横浜からは二つ大きな火山が見えます。一つは美しい富士山です。富士山は10万年前から活発な火山活動を繰り返し、火山灰を降り積もらせてきました。これらの火山灰はその鉄分がさびると赤茶色となり、

この

風化して「関東ローム層」という火山灰の地層となり、横浜の台地上では10m以上積もっている場合もあります。

箱根山は65万年前から、富士山10数万年前から活発に活動してきた。 横浜の台地上に分厚く堆積した火山灰層。ほとんどは富士のものと考えられるが、白い層は箱根火山の大噴火により、短期間で積もったもの。

 人の歴史に富士山は1707年の江戸時代に「宝永噴火」と呼ばれる大噴火を起こし、横浜も5cmの火山灰が積もりました。

 このとき、今の天王町まで入り江となっていた帷子川河口(西区)は大量の火山灰で船も通りにくくなったことから、やがて埋め立てが始まり、現在の横浜駅などの中心部になっています。

 箱根火山は温泉や行楽に多くの人が訪れ、親しまれている山ですが、65万年前から噴火を繰り返し、横浜にも大量の火山灰を積もらせてきました。中でも6万5千年前の噴火は特に大きく、横浜には20cm以上も軽石が積もり、最後には巨大な火砕流が発生し、神奈川県西部から、戸塚区から保土ヶ谷区など横浜の中心部にも達した地層が残っています。火砕流に飲み込まれた生き物はすべて蒸し焼きになってしまったことでしょう。

 火山噴火は人には災害でもありますが、畑作によい土地を生み、美しい風景や温泉などの観光の資源も生み出しています。

下部は浅い海に積もったと考えられる。このこってりとした質感を感じ取ってください。