地震が土地をつくる?

  神奈川県の最南端の城ヶ島に行くと、この土地が地震で持ち上がったことがよくわかる証拠があります。横浜も関東地震で隆起した場所や逆に沈降した場所がありました。

 横浜中心部から南にわずか30km。城ヶ島にある「馬が背洞門」と言われる海食洞です。

 関東地震前の写真と関東地震後の写真を比べてみましょう。
 一度に140cm隆起したことがわかっています。

 房総半島や三浦半島では関東地震の前に徐々大地は沈み込み、地震発生と同時に一気に持ち上がる運動を繰り返しています。

 房総半島の先端部分では、江戸時代の元禄地震(1703年)で5mも持ち上がった場所があります。

 上の写真は城ヶ島公園を海上から撮影したものです。
 下の灰色の地層は三浦層群で、海の底でできた地層ですが、かなり持ち上がっています。
 上は関東ローム層で展望台の人と比べてみると10mもの厚みあがるでしょうか?
 この当時見えていた黄色い線は箱根の東京軽石層らしく、6万5千年前の箱根の巨大噴火によるものです。
 この地層からの読み取られることは、下の三浦層群は関東地震の度に隆起の傾向があり、6.5万年前には上面が水面近くにあり、箱根の軽石を冠し、以後陸化して10もの火山灰を乗せたということになります。

 海の底でできた土地が今は台地や丘陵という土地になっていることには、横浜の土地の隆起も巨大地震と深い関係があると考えられます。

 地震と火山との共存

 地震や火山噴火は地球の鼓動のようなものです。だだし、この鼓動の間隔は人の一生よりずっと長いために、同じ地震を一生に二度経験する人はまずないでしょう。したがって、郷土の地震や火山噴火は歴史や地層を読み解くことによって知ることが出来ます。

 神奈川県では地震と火山噴火が繰り返し起きますが、それらは私たちの土地をつくってきた父と母でもあるのです。

 これらを正しく理解し、近々訪れるであろう横浜・東京直下型地震、小田原地震、東海地震、そして次の関東地震、富士箱根の噴火にびくともしない街づくりと暮らしの備えは私たち横浜市民が取り組むべき課題です。